カカオトークとLINE、最初に登場したのはどっち？生まれた背景と違いをわかりやすく解説

今や“日常に欠かせない”存在となったカカオトークとLINE。 どちらが先に登場したのか、どうして似ていると言われるのか、気になったことはありませんか？

この記事では、両アプリの誕生の経緯や共通点、使い分けのコツまでをやさしく解説していきます。 

「どっちが先？」という素朴な疑問から、あなたにぴったりな使い方まで、一緒に見ていきましょう。

まず結論｜カカオトークが先、LINEが後

カカオトークは2010年に韓国で生まれました。
LINEは2011年、日本でサービスが始まりました。
生まれた背景には、それぞれの国の事情とコミュニケーションの在り方が深く関係しています。
まずはその「誕生ストーリー」から見ていきましょう。

カカオトークとLINEの誕生ストーリー

カカオトークが生まれた背景

韓国では、スマートフォンの普及がとても早かった時期でした。
当時、友達や家族とのやりとりはSMS（ショートメッセージ）に頼ることが多く、使うたびに料金が発生してしまうことが負担になっていました。
「ちょっとした連絡なのにお金がかかる」という不便さは、多くの人にとって身近な悩みでした。
また、韓国は若者が新しいサービスを受け入れやすい文化があり、SNSやネットサービスが生活に入り込みやすい土壌がありました。
その中で、無料で気軽に使えるリアルタイムチャットアプリである「カカオトーク」は、まさにそのニーズにぴったり合った存在でした。
誰でもすぐ始められるシンプルさと、スタンプを使った表現の楽しさが口コミで広がり、短期間で国民的アプリへと成長していきました。

LINEが生まれた背景

LINEが開発されたきっかけは、2011年に起きた地震でした。
大規模な通信障害により、電話やメールが届きにくい状況が続き、家族や友人と連絡がつかない時間が多くの人に不安を与えました。
この経験から、「どんな状況でもつながれる連絡手段が必要」という考えが生まれました。
そこで、インターネット回線を使ってメッセージを送受信できるサービスとしてLINEが誕生しました。
はじめは家族同士の安否確認のために使われることが多かったものの、「既読がつく安心感」や「スタンプによる柔らかいコミュニケーション」が広がり、学生から大人まで幅広い層へと一気に浸透しました。
また、日本では丁寧な言い回しや気持ちをやさしく伝える文化があり、LINEのトークの雰囲気がそのまま生活に馴染んだことも大きな理由のひとつです。

初期に搭載されていた機能と広がり方

カカオトークは、シンプルなチャットとかわいいスタンプ機能が人気のきっかけとなりました。
特に、同時に複数人で会話できるグループチャットは、友達同士の雑談や学校の連絡など、日常のコミュニケーションに強く根づきました。
LINEも同じく、チャットとスタンプ、さらに「既読」表示が特徴でした。
既読機能は、「相手に伝わったかどうか」が一目でわかる安心感があり、家族や友達とのやりとりをスムーズにしました。
どちらのアプリも、メールよりもカジュアルでスピーディーな会話ができる点が、多くの人に支持され、日常に溶け込んでいきました。

なぜ似ている？両サービスの関係性と共通点

開発企業のルーツと関係

カカオトークは韓国の「Kakao」によって開発されました。
Kakaoは、韓国国内でインターネットサービスやプラットフォーム事業を得意とする企業で、メッセージだけでなく、決済・タクシー配車・音楽サービスなど、生活に密着したサービス展開を行ってきました。
そのため、カカオトークは単なるチャットアプリというより、暮らしに溶け込む“生活インフラ型アプリ”として成長していきました。

一方、LINEは日本の「LINE株式会社（当時 NHN Japan）」によって開発されました。
NHNは元々韓国の企業グループ「NAVER」傘下にルーツを持ち、検索サービスやオンラインゲームなどの分野で大きく成長していた背景があります。
つまり、LINEとカカオには、もともと開発に関わった人材や思想の一部に“共通点がある”と言われる理由が存在するのです。

ただし、

• カカオトーク：韓国国内向けサービスから拡大

• LINE：日本での震災をきっかけに需要が一気に高まった
  と、成長の仕方はまったく異なります。
  この“背景の違い”が、それぞれの国での定着度に大きな影響を与えています。

デザイン思想・UIの近さ

どちらも「シンプルで直感的に使える」を大切にしています。
アプリを初めて開いたときから、説明がなくても自然に操作できるよう設計されています。

例えば、トーク画面のレイアウトやメッセージ送信のアイコン配置、スタンプボタンの位置などが直感的で、迷わず使えるデザインになっています。

また、色合いやフォント、余白の取り方も似ており、視認性と操作性の両立が図られています。
このように、ユーザーの戸惑いを最小限に抑え、誰でもすぐに使えるように工夫されているため、操作感が非常に近いと感じられるのです。
さらに、アップデートのたびにUIが進化している点も共通しており、常に使いやすさを追求している姿勢が感じられます。

ユーザーが混同しやすいポイント

「スタンプ」「既読表示」「無料通話」など、共通の特徴が多いことも大きな理由です。
とくに、スタンプの使い方やトーク画面の見た目が似ているため、他人のスマホ画面を見たときにどちらのアプリか判断しにくいこともあります。
また、通知音やバッジ表示、グループチャットの構成なども共通点が多く、「使ってみると違いがわかるけど、見た目はかなり似ている」と感じる人も多いです。
このような理由から、LINEとカカオトークは「なんだか似てる」と思われることが多く、混同されがちなのです。

なぜ「カカオ＝韓国」「LINE＝日本」となったのか？

国民性とスマホ文化の違い

韓国は、SNSや連絡アプリが生活インフラに近い形で普及しています。
政府機関の案内、公共交通、ショッピング、医療、教育、さらには音楽配信やカレンダー機能に至るまで、アプリひとつで完結するような利便性が整っています。
スマホでのコミュニケーションが日常生活の中心にあり、連絡手段＝アプリという考えがごく当たり前に根付いています。

一方、日本は、人との距離感や丁寧な会話が重視される文化のため、「一方的すぎず、確認できる」「やさしく、感情も伝えられる」LINEのコミュニケーション設計が好まれました。
電話より気軽で、メールよりやさしい。
そんな絶妙な距離感を保てるLINEのスタイルが、日本人の気質にフィットしたのです。

スタンプ文化の広がり方

カカオは「カカオフレンズ」、LINEは「LINE FRIENDS（ブラウンやコニー）」が人気キャラクターになりました。
どちらも「キャラクターのかわいさ」が人気のきっかけになりました。
韓国では、日常の感情表現を絵文字よりもスタンプで伝える文化があり、愛着の持てるキャラクターを通じて「気持ち」をやり取りするスタイルが浸透しました。
日本でも同様に、言葉にしづらい気持ちをスタンプで伝える楽しさが広まり、友達同士や家族との距離を縮めるツールとして定着していきました。
特に若年層や女性を中心に、「かわいい」「面白い」「ユーモアがある」スタンプは会話の一部として欠かせない存在になっています。

インフラ化までの道のり

韓国では、役所の手続きや決済、タクシー、宅配、レストランの予約まで、カカオを通じて完結できる仕組みが整っています。
つまり、カカオトークは「ただのメッセージアプリ」ではなく、日常の行動を支えるプラットフォームとして機能しているのです。

日本では、LINEが銀行口座や行政通知、病院予約などにも対応しつつありますが、主な利用はやはり「連絡手段」としての役割です。
友達・家族・学校・職場など、身近な人とのやりとりをスムーズにするアプリとして定着しています。
どちらの国でも“生活に欠かせない存在”として進化してきた点は共通ですが、その広がり方と役割には違いがあります。

機能・使いやすさを比較

ざっくり言うと「どちらも便利」ですが、利用している人の数が選ぶ理由につながります。

セキュリティとプライバシーの違い

暗号化方式と安全性

どちらのアプリも、ユーザーのプライバシーを守るために暗号化技術を採用しています。
LINEでは、End-to-End暗号化（E2EE）機能である「Letter Sealing」があり、メッセージが送信者と受信者の間でしか読めないように保護されています。
カカオトークも同様に、セキュアなチャットモードを用意しており、トーク内容が漏れないように暗号化された通信が行われます。
ただし、両者ともに“すべての機能にE2EEが自動適用される”わけではなく、設定によって有効化が必要な場合があります。

ビジネス利用での適性

LINEは「LINE WORKS」など法人向けのビジネスチャットプラットフォームも提供しており、企業のコミュニケーションやチーム運営に活用されています。
カカオトークも「Kakao Work」といったビジネス版があるものの、国内利用が中心で、グローバルでのビジネス用途にはやや制限があります。
日本国内のビジネスシーンにおいては、LINEの方が知名度・導入実績ともに高く、使いやすいと感じる企業が多いようです。

公的認証との連携

日本では、LINEが地方自治体や行政の通知に使われる事例が増えており、災害情報の発信にも活用されています。

また、マイナンバー関連の一部案内に連携するなど、公的情報との接点が広がっています。
カカオトークも韓国国内で行政機関と連携した通知サービスを展開しており、住民登録や税金の通知などにも使われています。
このように、両者ともに“国のインフラとの結びつき”が進んでいる点が注目されています。

現在の利用傾向とユーザー層の違い

日本でLINEが圧倒的に定着した理由

日本では、LINEは「連絡手段のインフラ」と言われるほど広く浸透しています。
小学生から高齢者まで、年齢や職業に関係なく利用されており、メールに代わる新しいコミュニケーション手段として完全に定着しました。
特に、無料でのトークや通話、既読表示、スタンプなどが「使いやすい」「安心できる」と支持されてきた要因です。
また、学校やPTA、地域の連絡網などにもLINEが使われる場面が多く、社会全体がLINE中心に動いているといっても過言ではありません。

韓国でカカオが“生活インフラ”と呼ばれる理由

韓国では、カカオトークは単なる連絡手段を超えて、決済や予約、証明書発行、行政手続きまで対応する“生活アプリ”として使われています。
メッセージ機能を入口に、交通情報、ショッピング、音楽配信、さらにはタクシー配車まで、あらゆる日常がカカオ経由で行えるように整備されています。
そのため、ユーザー数の多さだけでなく「なくては困る」という実用性により、国民の9割以上が利用していると言われています。

海外ユーザー数・普及国の比較

LINEは、日本・台湾・タイなどアジア圏での人気が高く、それぞれの国でローカライズされた展開が評価されています。
一方、カカオトークは主に韓国国内に集中しており、海外展開は一部地域に限られています。
そのため、国際的な利用範囲で見るとLINEの方が幅広く、特にアジア圏の複数国での連絡手段として認知されています。
とはいえ、両者ともその国の文化や通信環境に合わせて強みを伸ばしている点が共通しており、どちらが優れているかは単純に比較できるものではありません。

LINEとカカオトークは使い分けもできる

家族・友人・仕事でアプリを分けるメリット

日常の連絡にはLINEを、仕事関係やプライベートな話題には別アプリを、というふうに使い分けることで、やり取りが整理されてストレスが減ります。
たとえば、家族とはスタンプや通話で気軽にやり取りできるLINEを使い、仕事では通知の制御がしやすい別のアプリ（LINE WORKSやKakao Work）に切り替える人もいます。
使い分けることで、気持ちの切り替えや連絡の優先度がはっきりしやすくなるのもメリットです。

海外旅行・留学・推し活で役立つ使い分け例

韓国への旅行や留学時には、カカオトークを入れておくと現地の人との連絡や予約がスムーズにできます。
現地の飲食店や交通機関で「カカオを使ってください」と言われることもあるため、インストールしておくと安心です。
また、K-POPや韓国ドラマのファン同士でのやり取りにはカカオを使う人が多く、いわゆる“推し活”の専用ツールとしても活用されています。

「同時に使う」ユーザーの実例要約

実際に、LINEとカカオトークの両方を使っている人は少なくありません。
家族や日本の友人とはLINE、韓国の友人や趣味仲間とはカカオ、というように“相手に合わせて自然に使い分けている”ケースが多いです。
どちらか一方に決める必要はなく、生活スタイルやつながりたい相手に応じて、柔軟にアプリを使いこなしている人が増えています。

目的別｜あなたに合うのはどっち？

プライバシー重視なら

プライバシーやセキュリティを特に重視したい方には、暗号化の仕組みが明確なアプリを選ぶのがおすすめです。
LINEでは「Letter Sealing」機能によるエンドツーエンド暗号化が採用されており、安心してメッセージのやりとりができます。
一方、カカオトークでも秘密チャットなどのセキュアモードがあり、用途に応じてプライバシーを高める工夫がなされています。

通話品質・安定性で選ぶなら

通話の安定性や音質を重視するなら、日本国内ではLINEのほうが回線状況に強く、使い勝手も良いと感じるユーザーが多いです。
海外や混雑時の通話でも比較的安定しているという口コミが多く見られます。
一方で、カカオトークは韓国国内での通話安定性が高く、現地での利用には申し分ありません。

国・相手・生活圏で選ぶといい理由

誰と、どこで、どうつながりたいかによって最適なアプリは変わります。
日本に住んでいる人や日本人との連絡が多い場合はLINEが便利ですし、韓国にいる友人や現地サービスを使うならカカオトークが役立ちます。
国際的なつながりが多い方は、両方を使い分けることでそれぞれの強みを活かすことができます。

まとめ｜「どっちが先？」だけじゃなく、生活に合う使い方を

カカオトークが先に登場し、LINEは日本で必要とされたタイミングで広がりました。
どちらが優れているというより、あなたが誰とつながりたいかが大切です。
ぜひ、自分の生活に寄り添うアプリを選んでみてください。